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デザイン学科絵画コースを題材としたブログです。山口先生の考え方やスクーリングの様子などを掲載しています。

2010年9月28日
任意の画家の作品を模して描く課題への講評。ピカソの作品に見る画面構成の意識について。
ピカソ 子羊を連れたポール
絵画が充実した造形としての表情を持つためには、画面の中に働く力を読んだり(構図法)を用いたり、画面の中で他のモノとの関係を意識し描くことで、画面の中に「響き」が生まれてくるのです。今回の参考図版に限らず、ピカソの作品にはそれがあると思いますし、そうしたことへの関心がキュビズム絵画を生んだのだと思います。勿論ピカソに限らず、昔からこうしたことは絵画制作にとっては重要な問題、ピカソがはじめたわけでもありません。ただ、一見子供の落書きのような単純な作品であっても、ピカソにはそうした造形意識が確実に働いています。例えば右脚の付け根を表すライン(股から斜め左上に伸び水平に左へ折れる線)と、左腕の付け根を表すライン(脇から斜め左に伸び垂直に上に折れ曲がるライン)は、私は確実にその呼応が意識されていると思います。また右手に持った棒も、何故その長さなのか、その始点、終点は他の何かの線と位置的に関係を持っているのではないか。何故その角度なのか、他の線と作る角度やその延長線にあるモノは何だろうか…。言い出せば切りがありません。なぜなら作家はほとんど無意識に、あるいは意識していても直感的にいつでもいろんなものの関係を気にしているからです。なれない人には屁理屈のように聴こえるかもしれませんが、けっしてそうではありません。小説家が登場人物や事柄の関係に無頓着ではないように、作曲家が楽器同士の音色や旋律の関係に無頓着ではないように。絵描きだけ造形の関係に無頓着などということのほうがむしろ考えにくいこと、このたとえからもお分かりいただけると思います。

 試しに、参考にした作品の図版で呼応している線や形態を探してみてください。実際にピカソがどう意識したかという正解というものはわかりようがありませんので、気楽な気持で。「この線描くとき、あの線やカタチも気にしていたんじゃないかな」みたいな感じで。ちなみに線はあからさまに見える線ばかりではありません、何かと何かをつなぐようい感じられる線。例えば顔、右手、左手で作られる三角形など…。


さて以上のべてきたような意識は、単に線の長さや方向だけでなく、その線の表情にも反映されているように私には感じられます。その線のシャープさは、ピカソの意識のシャープさだと私には感じられます。




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